ユース特集
電子版連載〈Meet You〉 平日は会社員、休日はガラス工芸作家の親友を紹介! 2025年2月10日
連載「Meet You――会わせたい人がいる」では、青年世代のメンバーが、読者の皆さんに会わせたい“推しの人”を紹介します。
智ちゃん=鈴木智子さん(神奈川県、女性部員)=とは家が近かったこともあり、物心つく前から一緒に遊んでいた仲です。
私は人見知りで、新しい環境に慣れるのに時間がかかるタイプでした。
でも智ちゃんと一緒にいると、自然と笑顔になれたんです。
共通の趣味も多く、イラストを描いたり、ゲームをしたりと、お互い“オタク気質”なところもありました。
小学校は別々でしたが、創価学会の未来部の合唱団を通してずっとつながり続けていました。
智ちゃんは自分を前面に押し出すタイプではありませんでしたが、静かな強さと洞察力で、周りの人を自然とひきつける魅力がありました。
中学は同じ学校に通いました。驚いたのが、私が美術部に入部すると、一つ年上の智ちゃんが副部長を務めていたこと!
先輩たちの中でも、ずばぬけて絵がうまく、智ちゃんの提案するアイデアはどれも的確で、地域のポスターコンクールで入賞するなど、その頃から才能を発揮していました。
高校を経て、智ちゃんは都内の美術大学へ。私にとって、それは自然な流れに思えました。
ただ、意外だったのは彼女が絵画ではなく、ガラス工芸の道を選んだことです。
「ガラスって冷たくて繊細なイメージがあるけど、実は柔らかくて流動的で、作り手の熱量がそのまま表現できるんだよ」
そんなふうに語る智ちゃんの目は、キラキラと輝いていました。
大学卒業後、智ちゃんはさらに腕を磨くために富山の有名なガラス工芸学校へ進学。私たちは離れ離れになりました。
富山は“ガラスの街”として世界的に有名で、周りには第一線で活躍する作家さんが多くいたそうです。
智ちゃんは後に「芸術家の作品への熱量に圧倒されることがあって。私自身、周りの同期たちのように情熱を持って作品に向き合いたいと思いつつも、自分の力不足を感じて、なかなかその輪に溶け込めないことがあった」とも語っていました。
学校の講師から「もっとグイグイ主張しなさい」と言われても、「自信が持てなかった」と。
一時は自己嫌悪に陥るほど悩んだそうです。でも、そんな時、お母さんの言葉が智ちゃんを救ったといいます。
「もともと意志が弱い人間だったんですが、その時だけは『環境のせいにしないで、自分を変えていかないと』という母の口癖が心に刺さって」(智ちゃん)
この言葉を胸に、智ちゃんは一歩ずつ前へ進んでいきました。
修業を終えた智ちゃんは、金属作家の友人と一緒に静岡で作家活動をスタート。マルシェ(市場)やイベントに出店しながら、ファンを増やしていきました。
「正直売れない作品の方が多くて、落ち込むこともあった」そうです。
でも智ちゃんは、創作活動を通じて少しずつ自信を取り戻していきました。
そして昨年、智ちゃんは故郷の神奈川に戻ってきました。
横浜での個展開催の知らせを聞き、私はすぐに会場へ駆けつけました。久しぶりの再会でも、智ちゃんは変わらず穏やかで、優しい笑顔のままでした。
智ちゃんは「少しでも社会経験を積んで、より多くの人に届く作品を作れるようになりたい」と、衣類メーカーで事務員として働き始めました。休日には変わらずガラス工芸に向き合っています。
昨年末、池田華陽会の華陽カレッジで、智ちゃんが装飾を快く手伝ってくれました。その姿を見ていて、私は池田先生の言葉を思い出しました。
「真の仏法者の人生というのは、生涯、求道であり、生涯、戦いであり、生涯、前進です。つまり、生涯、青春なんです」
智ちゃんの生き方こそ、この言葉を体現しているなと思いました。
私自身も、勤め先のパン屋でコツコツと頑張ってきたことが認められ、新しいポジションを任されるようになりました。
これからもお互いの成長を見守り、励まし合いながら、挑戦を続けていきたいと思っています。
智ちゃんの創造性と優しさは、きっと多くの人の心に希望の光をともすはず。これからも共に、「生涯青春」の心で進んでいこうね!(紹介者 久米明日香さん=区池田華陽会サブキャップ)
※あなたの「推し」の人を募集します。youth@seikyo-np.jp