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〈Seikyo Gift〉 不妊治療の医療費控除〈やさしい税金Q&A〉 2024年7月27日

税理士 平川雄二
目的に応じて対象可否を判断

 今年から不妊治療を受けており、治療費が多くかかっています。不妊治療で受けられる医療費控除について教えてください。
(埼玉・川口市 会社員 41歳)
 
 
 

 原則として、ご自身や生計を一にする家族のための医療費が年間10万円を超える場合に、その超える金額について200万円を上限として医療費控除を受けられます。
 不妊治療の場合、保険診療か自費診療かにかかわらず、治療を目的とした医療費であれば対象となります。

 ――具体的にはどのようなものが対象になりますか。

 不妊治療にかかる医師の診療費をはじめ、保険適用である一般不妊治療(人工授精など)や生殖補助医療(体外受精など)も対象となります。
 また、治療目的での鍼灸師等の施術も対象となる他、通院先への公共交通機関を利用した往復の交通費も含まれます。

 ――対象とならない費用について教えてください。

 健康増進のためのサプリメントの購入費用の他、出生前遺伝学的検査費用や妊活セミナーの受講料、マタニティーヨガの費用などは、医療費控除の対象になりません。

 ――控除を受けるためにはどうすればよいですか。

 確定申告をすることで控除を受けられます。収入が勤務先からの給与のみの場合、源泉徴収票と医療費の領収書等を準備し、確定申告書を作成の上、お住まいの税務署へ提出してください。
 なお、ふるさと納税のワンストップ特例を申請している方は、確定申告をする場合はワンストップ特例が無効となってしまうため、医療費控除と合わせて申告をするようご注意ください。

 ――その他、留意点は?

 不妊治療費助成金や保険金等を受けている場合は、該当する医療費から差し引いた後の金額が医療費控除の対象となります。