名字の言(紙面)

〈名字の言〉 2026年8月9日

 長崎は81年目の「原爆の日」を迎えた。時の経過とともに、被爆地で課題となっているのが「記憶の継承」だ▼先日、民音学校コンサートでお笑いコンビ「アップダウン」が、原爆で約1300人が犠牲となった長崎市立山里小学校を訪れ、原爆体験伝承漫才を披露した。彼らの活動は当初、“戦争を漫才の題材にするなんて不謹慎”と批判を受けた▼しかし、舞台を見た小学生の反応は違った。「戦争の歴史は怖いから、知りたくない人もいるけれど、漫才だと学びやすい」「原爆が投下された後、どんなに苦しかったのか、普段の平和学習より想像できた」。笑いを入り口にした平和のメッセージは、確かに子どもたちの心に届いていた▼「伝える」ための手段や方法は一つではない。形を重んじることは大切だが、とらわれすぎると記憶の継承は途切れてしまいかねない▼長崎では昨日、未来部向けの平和行事を会館で開催。被爆遺構を動画で視聴する「バーチャルピースウオーク」などを通し、核兵器の悲惨さを学んだ。以前は遺構に足を運んでいたが、暑さ対策で昨年から夏は動画で見ている▼知恵を発揮し、不戦の誓いを後世につなぐのは今を生きる私たちの使命だ。心新たに共々に平和への一歩を。(剣)