聖教ニュース

安全保障 2026年2月2日

平和国家の歩み 託せるか 
与党、政策転換へ強硬姿勢

 庶民の幸せ、豊かな暮らしも、まず平和がなくてはならない。戦後日本が築いてきた平和国家としての歩みを、どう次の世代、時代へと引き継いでいくか。また、それを、どの政党・政治家に託すのか。これも今回の衆院選の大事な争点だ。
 高市早苗首相は、強い日本へ安全保障政策など「国の根幹に関わる重要政策の大転換」を掲げ「決して右傾化などではなく、普通の国になるだけだ」と語る。自民党と連立を組む日本維新の会の吉村洋文代表は「安保政策はなかなか進まなかった。維新がアクセル役になる」と力を込める。

自公連立政権時代から一変

 一方で、与党の強硬姿勢には「公明党がブレーキ役を果たしていた自公連立時代から状況が一変した」(1月26日付「毎日」)との危機感も強い。
 分断と対立が世界的に広がり、国際社会の安全保障環境が厳しさを増す現状を背景に、防衛力の整備を求める声があるのは確かだ。
 そこで論点となるのは、核兵器に対する考え方。唯一の戦争被爆国として核廃絶に取り組むのは日本の責務にほかならない。その歩みに対して国際社会から信頼を得ることができたのは「持たず、作らず、持ち込ませず」と規定した「非核三原則」を日本が堅持し続けてきたからだ。
 だが、高市首相は、1月26日に行われた党首討論会で「予断をもって答えることはできない」などと、非核三原則の見直しを否定していない。さらに維新の衆院選公約には、米軍の核兵器を日本国内に配備する「核共有」を含む「拡大抑止に関する議論を開始」などが並ぶ。
 核兵器に対する日本の考え方・姿勢を変えるのかどうか。今回の衆院選では、厳しく問われる必要がある。
 高市政権が掲げる安全保障政策の抜本強化では、外交・安保政策の基本方針を定めた「国家安全保障戦略」など安保関連3文書の今年中の改定も論点だ。また、輸出可能な防衛装備品について「救難、輸送、警戒、監視、掃海」に限定している「5類型」を撤廃し「積極的に推進」するとしている。改定となれば、殺傷能力のある武器の無制限な輸出も可能になりかねない。これも平和国家として歩みを進めていく上で大きな政策転換になるだけに、与党は説明を尽くさなければならない。
 今回の衆院選は日本の針路を決める重要な選挙だ。より大きく、長期的な視点からも考えてみたい。