名字の言

名字の言 自分を信じ、それぞれの花を咲かせよう 2025年5月22日

 今月17日に行われた体操のNHK杯。女子では、杉原愛子選手が最終種目の床で圧巻の演技を見せ、0・033点の僅差で逆転。2015年以来となる頂点に立った。10年ぶりの優勝は、男女通じて大会史上最長である▼体操女子では競技生活のピークを10代で迎えたとして、早期に引退する選手が多い。事実、杉原選手も東京五輪後の22年、一度は退いた。それでも自らの力を信じ、翌年に現役復帰。心折れずに練習を重ねてきた▼彼女は優勝インタビューで「人それぞれ花が咲く時期は違う」「ジュニア世代の選手は焦らず、自分の“つぼみ”を、それぞれの場所で咲かせてほしい」と。その言葉は悩める後進へのエールとなったに違いない▼御書には「秋のいねには早と中と晩との三つのいね有れども、一年が内に収むる」(新356・全411)とある。その上で日蓮大聖人は、法華経を信ずる人もまた、時期は異なっても、皆が必ず最高の幸福境涯を開いていけると仰せである▼誰しも人生には山坂がある。晴れの日もあれば雨の日もあるが、大切なことは、どんな時も自分自身の可能性を信じ、前に進み続けることであろう。私たちも不屈の祈りを根本に、わが人生で桜梅桃李の勝利の花を咲かせたい。(朝)