名字の言(紙面)

〈名字の言〉 2025年8月30日

 長野県で教員をしている先輩が教えてくれた。「教師に『ずく』があれば、良い子が育つ」と。「ずく!?」――初めて聞く言葉に2度も聞き返した▼「長野県民なら誰もが知っている言葉。やる気、精を出すという意味が近い。でもやはり『ずく』は『ずく』としか言えない」。方言でしか表現できないこともあるのだろう。怠ける人には「ずくなし」と軽くとがめ、よく働く人には「ずくがある」と褒めるという▼今月から未来部大会(中・高等部大会)が始まった。10月にかけて各地で行われるが、特徴は未来部員が実行委員となって自ら企画や運営をすること。学校行事で生徒たちが出し物をつくり上げるイメージだ。担当者の大人は、未来部員の主体性を引き出すサポート役に徹する▼都内のある地域では、春の新入生歓迎部員会を企画した高等部員に中等部員を加え、実行委員会を結成。歓迎部員会は「本当に楽しく、有意義だった。次も参加したい」と好評だったことから、実行委員たちは自信をもって未来部大会の準備を進めた。大会は先日、大成功で終了した▼子どもは未来の希望そのもの。応援する大人に「ずく」があれば、子どもの「ずく」のスイッチが入る。大人は子どものかがみでありたい。(側)