「多文化共生のための国際アカデミー(IAMC)」は、学者や宗教者、社会活動家などのための国際的なプラットフォームです。同アカデミーを創設した、オードリー・キタガワ会長は、多様な文化や信仰を持つ人々の協力を通じて、より良い世界をつくるための文化・教育運動に取り組んできました。今こそ、分断と対立を越え、多様な人々が共に生きることのできる社会が求められています。多文化の共生を巡って、キタガワ会長にインタビューしました。
(聞き手=掛川俊明、村上進)
「多文化共生のための国際アカデミー(IAMC)」は、学者や宗教者、社会活動家などのための国際的なプラットフォームです。同アカデミーを創設した、オードリー・キタガワ会長は、多様な文化や信仰を持つ人々の協力を通じて、より良い世界をつくるための文化・教育運動に取り組んできました。今こそ、分断と対立を越え、多様な人々が共に生きることのできる社会が求められています。多文化の共生を巡って、キタガワ会長にインタビューしました。
(聞き手=掛川俊明、村上進)
――キタガワ会長は人権や気候変動、宗教間対話など、幅広い活動を続けており、以前は戸田記念国際平和研究所の国際諮問委員も務められました。池田大作先生が1996年に創立した同研究所は、「文明間の対話」をテーマに掲げて活動しています。その初代所長を務めたのが、池田先生と深い友情を結ばれた、マジッド・テヘラニアン博士でした。
私はハワイ・ホノルルで生まれ育ち、そこでハワイ大学の教授だったテヘラニアン博士と出会いました。当時、彼は戸田記念国際平和研究所の所長を務めており、私を同研究所の国際諮問委員に招きました。
テヘラニアン博士との研究所での仕事を通して、私は創価学会インタナショナル(SGI)について知りました。そして、SGIのリーダーシップを執られてきた池田博士について、学ぶことができました。
イラン出身の平和学者であり、ハーバード大学で博士号を取得したテヘラニアン博士は、市民社会の草の根の運動が、世界的な変革を生み出す可能性に注目していました。彼とは、国際化が進む世界における宗教の役割について、語り合いました。
同研究所の会議に参加するたびに、さまざまな国から多くの人が集まり、活発な議論が交わされるのを目の当たりにしました。そこには、閉ざされた偏狭な視点を超えた、世界の縮図のような多様性がありました。何よりも、池田博士とテヘラニアン博士が率先して、「仏教」と「イスラーム」という文明間の対話を重ねられました。そうした対話、教育、宗教の多様な運動は、より平和な世界に寄与する重要な影響力を持っています。
――キタガワ会長は人権や気候変動、宗教間対話など、幅広い活動を続けており、以前は戸田記念国際平和研究所の国際諮問委員も務められました。池田大作先生が1996年に創立した同研究所は「文明間の対話」をテーマに掲げて活動しています。その初代所長を務めたのが、池田先生と深い友情を結ばれた、マジッド・テヘラニアン博士でした。
私はハワイ・ホノルルで生まれ育ち、そこでハワイ大学の教授だったテヘラニアン博士と出会いました。当時、彼は戸田記念国際平和研究所の所長を務めており、私を同研究所の国際諮問委員に招きました。
テヘラニアン博士との研究所での仕事を通して、私は創価学会インタナショナル(SGI)について知りました。そして、SGIのリーダーシップを執られてきた池田博士について、学ぶことができました。
イラン出身の平和学者であり、ハーバード大学で博士号を取得したテヘラニアン博士は、市民社会の草の根の運動が、世界的な変革を生み出す可能性に注目していました。彼とは、国際化が進む世界における宗教の役割について、語り合いました。
同研究所の会議に参加するたびに、さまざまな国から多くの人が集まり、活発な議論が交わされるのを目の当たりにしました。そこには、閉ざされた偏狭な視点を超えた、世界の縮図のような多様性がありました。何よりも、池田博士とテヘラニアン博士が率先して、「仏教」と「イスラーム」という文明間の対話を重ねられました。そうした対話、教育、宗教の多様な運動は、より平和な世界に寄与する重要な影響力を持っています。
――昨年3月、先進7カ国首脳会議(G7サミット)に向けた政策提言国際会議が、東京の創価大学で開かれました。同会議は、G7研究グループと創大が主催し、キタガワ会長が創設された「多文化共生のための国際アカデミー」とSGIが共催しました。
昨年、同会議に参加するため、初めて創価大学を訪れました。会議に際し、SGIの皆さまから素晴らしいサポートをいただき、感謝しています。同会議では、気候変動や保健衛生などのテーマとともに、核軍縮についても取り上げました。世界の平和にとって、大切な議論ができたと思います。
池田博士が平和を実現するために語ったことの中で、私は次の3点を重視します。それは、①政治家や指導者の意識変革、②核兵器の廃絶に向けたビジョンの共有、③地球規模での「人間の安全保障」の確立です。
それらを実現するための実践として、池田博士は、世界の指導者たちが豊かな「対話」を行うことが重要であると訴えました。暴力によって良い変化が起こることなどなく、暴力では問題は解決しません。池田博士は一人一人の人間性を心から信じ、指導者たちに互いの違いを超えた対話を勧められたのです。
――昨年3月、先進7カ国首脳会議(G7サミット)に向けた政策提言国際会議が、東京の創価大学で開かれました。同会議は、G7研究グループと創大が主催し、キタガワ会長が創設された「多文化共生のための国際アカデミー」とSGIが共催しました。
昨年、同会議に参加するため、初めて創価大学を訪れました。会議に際し、SGIの皆さまから素晴らしいサポートをいただき、感謝しています。同会議では、気候変動や保健衛生などのテーマとともに、核軍縮についても取り上げました。世界の平和にとって、大切な議論ができたと思います。
池田博士が平和を実現するために語ったことの中で、私は次の3点を重視します。それは、①政治家や指導者の意識変革、②核兵器の廃絶に向けたビジョンの共有、③地球規模での「人間の安全保障」の確立です。
それらを実現するための実践として、池田博士は、世界の指導者たちが豊かな「対話」を行うことが重要であると訴えました。暴力によって良い変化が起こることなどなく、暴力では問題は解決しません。池田博士は一人一人の人間性を心から信じ、指導者たちに互いの違いを超えた対話を勧められたのです。
■対話ができるために「信頼」という前提が必要
■対話ができるために「信頼」という前提が必要
――SGIは、より良い社会をつくるために、世界中で対話を実践しています。対話が実りあるものとなるためには、何が必要でしょうか。
対話するには、信頼に基づく理解、協力の意思があることが前提です。身近な語らいでも、国家間の外交的交渉でも、そこに「信頼」があることが、対話を可能にする鍵になります。
アメリカの元国務長官であるジョージ・シュルツ氏が、“信頼というのは国家における通貨(=交流の基盤となる価値)である。信頼が部屋にあるとき、良いことが起こった。信頼が部屋にないときは、良いことは起こらなかった。その他のことは全て、ささいなことである”と語った通りです。
しかし現在、世界は「信頼」の危機に陥っています。ウクライナ危機や中東での紛争が起こり、外交で互いを信頼することが難しくなっているのです。国際社会の中で、合意されたことをどこまで信頼できるかという不安もあります。それは、誠実さの問題でもあります。
――SGIは、より良い社会をつくるために、世界中で対話を実践しています。対話が実りあるものとなるためには、何が必要でしょうか。
対話するには、信頼に基づく理解、協力の意思があることが前提です。身近な語らいでも、国家間の外交的交渉でも、そこに「信頼」があることが、対話を可能にする鍵になります。
アメリカの元国務長官であるジョージ・シュルツ氏が、“信頼というのは国家における通貨(=交流の基盤となる価値)である。信頼が部屋にあるとき、良いことが起こった。信頼が部屋にないときは、良いことは起こらなかった。その他のことは全て、ささいなことである”と語った通りです。
しかし現在、世界は「信頼」の危機に陥っています。ウクライナ危機や中東での紛争が起こり、外交で互いを信頼することが難しくなっているのです。国際社会の中で、合意されたことをどこまで信頼できるかという不安もあります。それは、誠実さの問題でもあります。
ここで、池田博士が提起した3点に立ち返りたいと思います。一つ目は、指導者の意識変革の必要性です。創価学会の思想の根底には、法華経で説かれる「万人成仏」、つまり、あらゆる人々が最高の善性を発揮できるという希望があります。それゆえに、創価の哲学は、非暴力と平和を促進するものだと思います。
政治家も外交官も皆、同じ人間です。非暴力と平和を実現するために、指導者は誠実さを持ち、合意と約束を尊重すべきです。
そうした誠実さが発揮されれば、二つ目の核兵器廃絶というビジョンの共有につながる道が開けてきます。核兵器は、地球上の全ての生命にとって、究極の生存の脅威となります。核爆発は、言葉では言い尽くせないほど凶悪な死と荒廃をもたらします。
ゆえに核廃絶は、三つ目のポイントである、地球規模での「人間の安全保障」の確立につながります。核廃絶こそが、人々の幸福と環境に焦点を当てた、最善の安全保障だからです。
ここで、池田博士が提起した3点に立ち返りたいと思います。一つ目は、指導者の意識変革の必要性です。創価学会の思想の根底には、法華経で説かれる「万人成仏」、つまり、あらゆる人々が最高の善性を発揮できるという希望があります。それゆえに、創価の哲学は、非暴力と平和を促進するものだと思います。
政治家も外交官も皆、同じ人間です。非暴力と平和を実現するために、指導者は誠実さを持ち、合意と約束を尊重すべきです。
そうした誠実さが発揮されれば、二つ目の核兵器廃絶というビジョンの共有につながる道が開けてきます。核兵器は、地球上の全ての生命にとって、究極の生存の脅威となります。核爆発は、言葉では言い尽くせないほど凶悪な死と荒廃をもたらします。
ゆえに核廃絶は、三つ目のポイントである、地球規模での「人間の安全保障」の確立につながります。核廃絶こそが、人々の幸福と環境に焦点を当てた、最善の安全保障だからです。
■宗教団体などの「信仰を基盤とした組織(FBO)」が果たす役割
■宗教団体などの「信仰を基盤とした組織(FBO)」が果たす役割
――ある国際的研究で、コロナ禍において、宗教団体などの「信仰を基盤とした組織(FBO)」が連携し、重要な役割を果たしたことが紹介されました。人々が孤立しがちな現代社会の中で、信仰によって共感力を育むことができると指摘する専門家もいます。キタガワ会長は、人類的課題に立ち向かう上で、宗教者にはどのような使命があるとお考えでしょうか。
信仰は、一人一人が日々を生きるための倫理的、道徳的な羅針盤になります。宗教は、精神的かつ宗教的な偉大な指導者によって、長い時間をかけて紡がれた価値観を教えます。その価値観とは、互いを思いやり、愛し合い、慈悲の心を育むことなどです。
もし私たちが名声や富だけを求め、他者を顧みることなく私利私欲を追求したら、世界は、利己的で貪欲で、他者や地球の資源を搾取する人々であふれかえるでしょう。それはやがて、環境と社会の破壊につながります。
自身の内なる精神的な生活を育み、自分の意識を高めて、より善い人間になるための実践を行うことは、全ての人々の責任です。
――ある国際的研究で、コロナ禍において、宗教団体などの「信仰を基盤とした組織(FBO)」が連携し、重要な役割を果たしたことが紹介されました。人々が孤立しがちな現代社会の中で、信仰によって共感力を育むことができると指摘する専門家もいます。キタガワ会長は、人類的課題に立ち向かう上で、宗教者にはどのような使命があるとお考えでしょうか。
信仰は、一人一人が日々を生きるための倫理的、道徳的な羅針盤になります。宗教は、精神的かつ宗教的な偉大な指導者によって、長い時間をかけて紡がれた価値観を教えます。その価値観とは、互いを思いやり、愛し合い、慈悲の心を育むことなどです。
もし私たちが名声や富だけを求め、他者を顧みることなく私利私欲を追求したら、世界は、利己的で貪欲で、他者や地球の資源を搾取する人々であふれかえるでしょう。それはやがて、環境と社会の破壊につながります。
自身の内なる精神的な生活を育み、自分の意識を高めて、より善い人間になるための実践を行うことは、全ての人々の責任です。
宗教指導者の役割も重要です。それは道徳的、倫理的な見地に立ち、社会を導くからです。例えば、キング牧師やフランシスコ教皇は、核兵器に反対を表明しました。信仰を持つ人々が団結し、核兵器廃絶を訴えることは非常に重要です。
また池田博士は、多くの宗教間対話を行いました。宗教の違いを超えた対話は、自分とは異なる信仰の視点を理解するのに役立ちます。相手の世界観に足を踏み入れることで、他者の信仰や視点に対する理解を深めることができるのです。宗教間対話の促進は、協力、協調、平和への力強い足がかりになります。
対話を通して、他者をより深く理解しようとする時、そこには友情の大きな可能性が広がります。世界中の暴力と紛争を減らすために、私たちは対話を通じて、平和と非暴力のメッセージを発信し続けなければなりません。
宗教指導者の役割も重要です。それは道徳的、倫理的な見地に立ち、社会を導くからです。例えば、キング牧師やフランシスコ教皇は、核兵器に反対を表明しました。信仰を持つ人々が団結し、核兵器廃絶を訴えることは非常に重要です。
また池田博士は、多くの宗教間対話を行いました。宗教の違いを超えた対話は、自分とは異なる信仰の視点を理解するのに役立ちます。相手の世界観に足を踏み入れることで、他者の信仰や視点に対する理解を深めることができるのです。宗教間対話の促進は、協力、協調、平和への力強い足がかりになります。
対話を通して、他者をより深く理解しようとする時、そこには友情の大きな可能性が広がります。世界中の暴力と紛争を減らすために、私たちは対話を通じて、平和と非暴力のメッセージを発信し続けなければなりません。
■一見、平凡な日常の中にこそ変革の力が
■一見、平凡な日常の中にこそ変革の力が
――池田先生は、多様な人々が共生する社会を目指し、1993年に米ハーバード大学で「21世紀文明と大乗仏教」と題して記念講演を行いました。そこでは、「人間への差別意識、差異へのこだわりを克服することこそ、平和と普遍的人権の創出への第一義であり、開かれた対話を可能ならしむる黄金律なのであります」と訴えました。
一般的にも、何に焦点を当てて、集中しているかによって、その人にとっての現実が形成されるといわれます。否定的なことばかりに目を向けていると、ますます否定的な情報が目に付くようになります。多様な人々と共に生きる上で、差異にこだわるということも同じです。
ゆえに池田博士が指摘された「差異へのこだわり」の克服は、現実に共生社会をつくっていくために重要な観点です。
仏法の思想には、そうした差異へのこだわりを越えるための英知があると思います。
一つ挙げれば、釈尊は仏法の最も基本となる四つの真理である「四諦」を説き、苦しみの実態や原因を探究し、苦の消滅の在り方と実践を明かしました。そして「八正道」を説き、正しい見解・思考・言葉・行いなど、八つの具体的な実践を示しました。
また、仏法には「縁起(縁りて起こる)」という考え方があります。全ての現象は、さまざまなものに依存し、条件づけられて生じるということです。言い換えれば、物事はたった一つだけで成り立つのではなく、互いに依存し、影響し合って成立すると説かれるのです。
こうした仏法思想をもとに、池田博士は、自身の先入観や偏見を検証し、自分の内面に探究の光を当てることを教えられました。私たちが目指す、多文化が共生する社会とは、こうした仏法思想によって示される、平和で調和のとれた共存であるべきです。
――池田先生は、多様な人々が共生する社会を目指し、1993年に米ハーバード大学で「21世紀文明と大乗仏教」と題して記念講演を行いました。そこでは、「人間への差別意識、差異へのこだわりを克服することこそ、平和と普遍的人権の創出への第一義であり、開かれた対話を可能ならしむる黄金律なのであります」と訴えました。
一般的にも、何に焦点を当てて、集中しているかによって、その人にとっての現実が形成されるといわれます。否定的なことばかりに目を向けていると、ますます否定的な情報が目に付くようになります。多様な人々と共に生きる上で、差異にこだわるということも同じです。
ゆえに池田博士が指摘された「差異へのこだわり」の克服は、現実に共生社会をつくっていくために重要な観点です。
仏法の思想には、そうした差異へのこだわりを越えるための英知があると思います。
一つ挙げれば、釈尊は仏法の最も基本となる四つの真理である「四諦」を説き、苦しみの実態や原因を探究し、苦の消滅の在り方と実践を明かしました。そして「八正道」を説き、正しい見解・思考・言葉・行いなど、八つの具体的な実践を示しました。
また、仏法には「縁起(縁りて起こる)」という考え方があります。全ての現象は、さまざまなものに依存し、条件づけられて生じるということです。言い換えれば、物事はたった一つだけで成り立つのではなく、互いに依存し、影響し合って成立すると説かれるのです。
こうした仏法思想をもとに、池田博士は、自身の先入観や偏見を検証し、自分の内面に探究の光を当てることを教えられました。私たちが目指す、多文化が共生する社会とは、こうした仏法思想によって示される、平和で調和のとれた共存であるべきです。
――池田先生は、「一人の人間における偉大な人間革命は、やがて一国の宿命の転換をも成し遂げ、さらに全人類の宿命の転換をも可能にする」とつづりました。この一節は、一人の内面の変革から、社会や世界をも変えていけるという希望を示しています。
仏法に基づく池田博士の思想は、個人における精神性や道徳性を育むだけでなく、社会がより平和に発展していくためにも重要だと考えます。
SGIの皆さまが示してこられたように、一人一人が仏法を実践することによって、世界に積極的に貢献し、より良い人生を送ることができるようになります。そうした人々が増えることが、平和な社会に寄与します。
一日一日の暮らしを、より善く生きることが非常に大切です。それは、日々の実践という修行を通じて自己の内面を磨き、より善い内なる変革によって社会に貢献できるよう、毎日の生活を向上させることです。
仏法が説くように、智慧、勇気、慈悲といった善性は、個々人の中にすでに存在しています。そうした素質を高め、他者と分かち合えるかどうかは、私たち一人一人の手にかかっているのです。
池田博士が示されたように、より平和で、調和があり、慈悲に満ちた世界を築くために責任を持って立ち上がる時、私たちは人生を最高に生き切ることができるのです。
一見すると平凡な日常の暮らしの中にこそ、変革の力があるのです。私たち一人一人は、今この場で、より善い人間になる能力を持っています。一人の人間における変革は、それを自覚することから始まります。
私は、これからもSGIの皆さまと手を取り合って、平和・非暴力・調和のメッセージを発信し続けたいと思います。
――池田先生は、「一人の人間における偉大な人間革命は、やがて一国の宿命の転換をも成し遂げ、さらに全人類の宿命の転換をも可能にする」とつづりました。この一節は、一人の内面の変革から、社会や世界をも変えていけるという希望を示しています。
仏法に基づく池田博士の思想は、個人における精神性や道徳性を育むだけでなく、社会がより平和に発展していくためにも重要だと考えます。
SGIの皆さまが示してこられたように、一人一人が仏法を実践することによって、世界に積極的に貢献し、より良い人生を送ることができるようになります。そうした人々が増えることが、平和な社会に寄与します。
一日一日の暮らしを、より善く生きることが非常に大切です。それは、日々の実践という修行を通じて自己の内面を磨き、より善い内なる変革によって社会に貢献できるよう、毎日の生活を向上させることです。
仏法が説くように、智慧、勇気、慈悲といった善性は、個々人の中にすでに存在しています。そうした素質を高め、他者と分かち合えるかどうかは、私たち一人一人の手にかかっているのです。
池田博士が示されたように、より平和で、調和があり、慈悲に満ちた世界を築くために責任を持って立ち上がる時、私たちは人生を最高に生き切ることができるのです。
一見すると平凡な日常の暮らしの中にこそ、変革の力があるのです。私たち一人一人は、今この場で、より善い人間になる能力を持っています。一人の人間における変革は、それを自覚することから始まります。
私は、これからもSGIの皆さまと手を取り合って、平和・非暴力・調和のメッセージを発信し続けたいと思います。
〈プロフィル〉 Audrey E. Kitagawa 多文化共生のための国際アカデミー(IAMC)会長。南カリフォルニア大学卒業。ボストン大学法科大学院で法学博士号を取得し、米国ハワイ州ホノルルで弁護士として活動した。その後、宗教間理解の促進のための運動をはじめ、多様な文化・教育活動を展開。「子どもと武力紛争」担当国連事務総長特別代表事務所顧問などを歴任。「国連の精神」賞など受賞多数。
〈プロフィル〉 Audrey E. Kitagawa 多文化共生のための国際アカデミー(IAMC)会長。南カリフォルニア大学卒業。ボストン大学法科大学院で法学博士号を取得し、米国ハワイ州ホノルルで弁護士として活動した。その後、宗教間理解の促進のための運動をはじめ、多様な文化・教育活動を展開。「子どもと武力紛争」担当国連事務総長特別代表事務所顧問などを歴任。「国連の精神」賞など受賞多数。
●ご感想をお寄せください。
メール kansou@seikyo-np.jp
ファクス 03-5360-9613
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