聖教ニュース(紙面)

21世紀の平和の島 済州韓日友好研修センターで南アジア・韓国・日本合同研修会(1面から続く) 2025年8月18日

我らの力でアジアに幸福の光を
谷川SGI理事長を中心に各国の友が活発に交流

 優しい光が差し込む済州韓日友好研修センター。英語、タイ語、韓国語、日本語と、話す言葉は違えど握手を交わし、肩を抱き、この時に集い合った喜びを共有する各国の友。そこには周囲に咲き誇る無窮花の白とピンクの美しい花に勝るとも劣らない“平和と共生の花”が咲いていた。
 雄大な漢拏山、透明な海や白い砂浜など、自然豊かな景観から“東洋のハワイ”と呼ばれる済州島。本年、この地で研修会が行われる意義は大きい。
 池田先生は第3代会長に就任した1960年の7月16日、太平洋戦争の激戦地となった沖縄を初訪問。同年10月2日には、同戦争の発端となったハワイに世界平和旅の第一歩を記し、75年1月26日には戦禍に苦しんだグアムでのSGI発足の集いに出席した。
 済州島もまた、戦争の爪痕が刻まれた地である。日本の過酷な植民地支配を受け、太平洋戦争では島民が強制労働に駆り出された。
 島では、その後も混乱が続いた。アジア人女性初のノーベル文学賞に輝いた韓国の作家ハン・ガン氏が著書で取り上げた「四・三事件」は有名である。
 戦後の48年、祖国の南北分断に反対する一部の島民が武装蜂起。軍や警察による武力鎮圧で、蜂起とは無関係の島民を含む約3万人が命を失った。虐殺から逃れるため、日本に移り住んだ人もいた。
 そうした歴史を踏まえ、池田先生はつづっている。「私が今まで、『平和の発信地』として注目してきたのは、沖縄であり、ハワイであり、グアムであり、そして済州島であった」
 この師の思いをわが心とし、我らの熱と力で済州島からアジア、世界へ平和と幸福の光を!――その誓いを深める研修会となった。
 16日は、韓国SGIの金仁洙理事長のあいさつの後、ソウル第8方面の鄭喜汀婦人部長が、家族の宿命を使命に変えた喜びの体験を発表。谷川SGI理事長を囲んで行った質問会では、活発に参加者の手が挙がった。
 南アジアのある婦人部の友は「平和に貢献していくために心がけるべき点は?」と質問。谷川SGI理事長は「先生がさまざまな障壁の中で今できることに全力を注ぎ、一人一人と心を結びながら今日の学会を築かれたように、私たちもまた目の前の課題と向き合い、足元から行動の連帯を広げていくことが大切です」と答えた。
 17日に行われた御書講義では、谷川SGI理事長が「一生成仏抄」の「すべて一代八万の聖教、三世十方の諸の仏菩薩も、我が心の外に有りとはゆめゆめ思うべからず」(新317・全383)の一節を通し、自らの一念でわが家、わが地域を照らしゆく人間革命の主体者にと呼びかけた。
 研修会に集ったマレーシアのアォウ・イン・ペン副理事長は「ここで学んだ師弟の心を組織の隅々に伝えていきたい」、沖縄の安田総県長は「皆さんと手を携え、世界広宣流布の先駆を切っていきたい」と決意を語った。