名字の言(紙面)

〈名字の言〉 2025年10月5日

 ある座談会で男子部員が、池田先生と対談した未来学者ヘンダーソン博士の行動哲学を通してクイズを出した。「人が成長し続けるには『希望』が必要です。では希望を持ち続けるには何が大事でしょうか?」▼皆が答えあぐねていると、彼が発表した。「今いる場所でできることをやりきることです」。参加者の「それなら誰でもできるよ」との声に彼は言った。「そう。でも人は意外とやらない。それを誰よりもやった時、思いもしない未来が開けます」と▼「恵まれた一部の人に限ることではなく、誰れにでも出来る」――初代会長・牧口常三郎先生が訴え、人々に呼びかけた実践が、自他共の幸福に尽くす「大善生活法」だった▼祈ることや周囲を思いやること自体は、誰にでもできる。だが、その実践を軽視せず、今いる場所で人々の幸福を真剣に祈り抜き、出会う一人一人と真心で接し続ければ、自らの生命は磨かれ、自他共の幸福を築く力となる▼牧口先生は、この生活法は「一度意識的に実証され、誰れにでもできることが解つて見ると、最早誰れでも仕たくてたまらぬ」ものである、とも。広宣流布とは本来、希望を創り、広げることである。その喜びを自らの振る舞いで伝える人でありたい。(代)