くらし・教育

〈暮らし〉 自転車の交通違反「青切符」スタート 2026年3月30日

 4月1日から、自転車の交通違反にも「交通反則通告制度(いわゆる青切符)」が適用されます(16歳以上)。自転車は便利な乗り物ですが、道路交通法上は「軽車両」です。信号無視やスマートフォンを見ながらの運転などの危険な行為は、重大な事故につながる恐れがあります。制度の概要や自転車利用の基本的なルールについて、全国でも高いヘルメット着用率を誇る愛媛県の県消防防災安全課主幹の伊藤誠悟さんと県警察本部交通部に話を聞きました。

なぜ今、導入されるの?

 交通事故は全体として減少傾向にある一方で、自転車関連事故は年間約7万件前後で推移しています。2024年には、全交通事故に占める自転車関連事故の割合は約23%となっています。また、自転車乗用中の死亡・重傷事故の約4分の3には、自転車側にも何らかの法令違反が認められています。
 こうした状況を踏まえ、自転車の交通違反に対して、反則金の納付により手続きを終えることができる「交通反則通告制度(青切符)」が導入されます。青切符を交付された場合、一定期間内に反則金を納付すれば刑事手続きには進まず、前科は付きません。
 一方、反則金を期限内に納付しない場合や、飲酒運転などの重大な違反については、従来通り刑事手続きの対象となります。
 自転車は運転免許が不要なため、交通ルールを十分に知らないまま利用している人もいます。こうした方でも、「自転車安全利用五則」(別掲)を守ることで、多くの危険な違反を防ぐことができます。基本的なルールを意識して行動することが、自分自身だけでなく周囲の人の安全にもつながります。
 

自転車安全利用五則
 ① 車道が原則、左側を通行 歩道は例外、歩行者を優先
 ② 交差点では信号と一時停止を守って、安全確認
 ③ 夜間はライトを点灯
 ④ 飲酒運転は禁止
 ⑤ ヘルメットを着用

 青切符制度の導入は、自転車のルール違反を「当たり前にしない」という意識を社会全体に広げていく一つのきっかけになることが期待されます。迷ったら止まる、止まって確認する――こうした基本的な行動を習慣にすることが、事故を防ぐ上で重要です。青切符制度の導入を機に、自転車のルールをあらためて確認し、安全な利用を心がけることが大切です。愛媛県では「シェア・ザ・ロード」の理念の下、車・自転車・歩行者が互いに思いやりを持って道路を利用する交通文化の定着を目指しています。

基本は指導・警告。悪質・危険な違反は青切符へ

 青切符制度が導入されても、自転車に対する交通指導の基本的な考え方は変わりません。警察官が違反を確認した場合でも、直ちに反則金の対象とするのではなく、まずは「指導・警告(指導警告票の交付)」によりルールの周知と再発防止を図ることが基本となります。
 一方で、迷惑性の高い悪質・危険な行為については、青切符による交通反則通告制度や、従来通り刑事手続きによる検挙が行われます。
 交通反則通告制度(青切符)が適用されるのは、主に次のような場合です。
 ①違反そのものが危険で、即座の制止が必要な場合(スマホ使用中の走行、踏切の警報機が鳴り始めた後の進入など)
 ②警察官の目の前で違反を繰り返すなど、悪質と判断される場合
 ③違反により歩行者が立ち止まる、車が急ブレーキをかけるなど、実際に危険が生じた場合
 ④指導・警告を受けたにもかかわらず、その場で違反を続けた場合
 
 ※飲酒運転や交通事故など重大な違反は、従来通り刑事手続きとなります。
 ※反則金を期限内に納付しない場合も、刑事手続きに移行します。
 ※16歳未満の違反については、引き続き指導・警告が基本となります。

次の違反行為は青切符です
ながら運転(スマホを手に持ち通話・画面注視)
反則金1万2000円
信号無視(赤信号の無視など)
反則金6000円
指定場所一時不停止等(「止まれ」標識を無視)
反則金5000円
二人乗り(軽車両乗車積載制限違反)
反則金3000円
歩道走行(歩行者の通行を妨害すれば別の違反も検討)
反則金6000円
傘差し運転
反則金5000円

 ※この他にも違反行為は多数あります。飲酒運転・あおり運転は刑事手続きの対象です。

〈特に気を付けたい交通ルール〉
①二段階右折(全ての交差点で原則適用)

 信号がある交差点では、事前にできるだけ道路の左端に寄り、青信号で交差点の向こう側まで真っすぐ進み、そこで止まって右に向きを変え、前方の信号が青になってから進行しなければなりません。
 ※信号のない交差点では、事前にできるだけ道路の左端に寄り、速度を十分落とし、交差点の端に沿って大回りに右折しなければなりません。

②どの信号を見ればいい?

 自転車は、状況によって歩道を走行することが可能です。通行場所や標識・信号の種類によって従う信号が異なる場合があります。

 《ケース1 車道を走行中》
 「車両用信号」(青・黄・赤の3灯式)に従い、停止線で止まる。

 《ケース2 車道通行時の例外》
 歩行者用信号灯火等に「自転車専用」という標識が付いている時は、その「歩行者用信号」(青・赤の2灯式)に従い、停止線で止まる。

 《ケース3 横断歩道進行時》
 「歩行者用信号」に従い、交差点の手前で止まる。
 ※歩行者専用信号の青点滅は「横断を始めてはいけない」サイン。「急いで渡れ」という意味ではありません。
 ※黄色信号は「止まれ(安全に止まれない場合を除く)」。黄色で加速し、停止線を越えて進むのは違反です。

③自転車でも確認が必要な標識

 免許を持たない自転車利用者が見落としがちな標識です。通勤・通学路を事前に確認しておきましょう。

軽車両を除く:標識の規制対象から自転車等の「軽車両」を除外する補助標識

 愛媛県が作成した「自転車安全利用啓発プロジェクト」の動画はこちらから見られます。

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