名字の言

名字の言 きょう「立冬」――鍛錬の冬をスタート 2026年11月7日

 朝の通勤時、高架鉄道の駅のホームから遠くに富士山が見えることがある。この頃は凜とした空気のせいか、夏よりも引き締まっているようにも見える。今日は立冬。「風ひびき立冬の不二痩せて立つ」(水原秋桜子)の句が脳裏に浮かぶ▼俳人が「痩せて」と詠んだのは、晩秋の山頂が、まだ十分な雪を冠していなかったからだろうか。本格的な冬が到来し、山肌の白雪も厚みを増せば、悠然と構える雄姿が現れることだろう▼冬になると生い茂っていた草木は枯れ、葉を落として裸木になる大樹も目に付く。この季節は何かを“そぎ落としていく”というイメージもある。だが「冬」の語源は寒さを表す「冷ゆ」のほか、増殖の「殖ゆる」、年末へと時を経ていく「経ゆ」などもあるという▼暦の上では、今日が冬の始まり。今年の総仕上げ、そして明年の勇躍前進に向けて、“冬の今、自分はどれだけの力を蓄えることができたか”が大きな成長の鍵となる。そう捉えれば、自身を鍛えていこうという意欲が湧く▼御聖訓に「冬は必ず春となる」(新1696・全1253)と。ならば“いかなる冬を過ごしたか”が“どんな春を迎えるか”につながる。決意と自覚を胸に、鍛錬の冬を力強くスタートしたい。(白)