最近ある知人が人間関係の希薄さを嘆いていた。昨今ではスマホを通じ、SNSなどを使うことで、容易に他人と知り合える。だが指先の操作一つで相手をブロックし、“その縁を簡単に閉ざす”こともできる、と▼そんな話を聞く一方で、人の温かさを感じる一本の電話が、本紙を購読する女性部員からあった。それは海外メンバーの信仰体験の紙面について“名前が読みやすい見出しのデザインだった”との感謝であった。彼女は本紙に体験談が掲載されるたび、その友の名を胸に刻み、“今後も幸せな人生を歩めるように”と願って題目を送ってきたという▼体験が載ったメンバーとは直接、会ったことも話したこともない。しかし彼女は本紙を介した“小さな縁”を大切にして、友の将来に思いを寄せていた。こうした心根の美しさが社会にどれほどの潤いを与えているかを思い、胸が熱くなった▼池田先生は記している。学会には「友の悩みをわが悩みとし、その幸福を祈り、励まし、助け合う、慈悲を基調とした確かなる連帯がある。それは、かけがえのない新たな人間共同体といってよい」と▼秋が深まる10月。澄み渡る青空のように清らかな心で、自身の足元から友情と信頼の輪を広げていこう。（轍）

　最近ある知人が人間関係の希（き）薄（はく）さを嘆（なげ）いていた。昨（さっ）今（こん）ではスマホを通（つう）じ、SNS（エスエヌエス）などを使うことで、容（よう）易（い）に他人と知り合える。だが指（ゆび）先（さき）の操（そう）作（さ）一つで相手をブロックし、“その縁（えん）を簡（かん）単（たん）に閉（と）ざす”こともできる、と▼そんな話を聞く一方で、人の温（あたた）かさを感じる一本の電話が、本紙を購（こう）読（どく）する女性部員からあった。それは海外メンバーの信（しん）仰（こう）体験の紙面について“名前が読みやすい見出しのデザインだった”との感謝であった。彼女は本紙に体験談が掲（けい）載（さい）されるたび、その友の名を胸（むね）に刻（きざ）み、“今後も幸せな人生を歩（あゆ）めるように”と願（ねが）って題目を送ってきたという▼体験が載（の）ったメンバーとは直接、会ったことも話したこともない。しかし彼女は本紙を介（かい）した“小さな縁”を大切にして、友の将（しょう）来（らい）に思いを寄（よ）せていた。こうした心（こころ）根（ね）の美しさが社会にどれほどの潤（うるお）いを与（あた）えているかを思い、胸が熱（あつ）くなった▼池田先生は記（しる）している。学会には「友の悩（なや）みをわが悩みとし、その幸福を祈（いの）り、励（はげ）まし、助け合う、慈（じ）悲（ひ）を基（き）調（ちょう）とした確（たし）かなる連（れん）帯（たい）がある。それは、かけがえのない新たな人間共（きょう）同（どう）体（たい）といってよい」と▼秋が深（ふか）まる10月。澄（す）み渡（わた）る青空のように清（きよ）らかな心で、自身の足元から友情と信（しん）頼（らい）の輪（わ）を広げていこう。（轍）