エンターテインメント

〈舞台〉 「秋だ! 笑いだ! 松竹新喜劇 九月公演」 2025年9月11日

9月20日(土)から 大阪松竹座で

 江戸時代から芝居町として名をはせた大阪・道頓堀で、100年の歴史を刻む大阪松竹座。同劇場では、「秋だ! 笑いだ! 松竹新喜劇 九月公演」を20日(土)からスタートする。先日、大阪市内で取材会が開かれ、出演者が意気込みを語った。

◆“演歌界のホープ”と贈る 笑いあり涙ありの人情物語

 大阪松竹座は、先日、明年5月での閉館を発表した。本公演は、これまで同劇場を“本拠地”としてきた松竹新喜劇にとって、同劇場での最後の舞台となる。祖父の故・藤山寛美から上方喜劇(京都・大阪を中心とする地域で演じられる喜劇)の伝統を受け継ぐ藤山扇治郎をはじめ、フレッシュなメンバーが一座の誇る名作の2本立てに臨む。
 
 一つは、時代劇の「駕籠や捕物帳」。殿さまと大泥棒が瓜二つだったことから、勘違いと偶然が事件を呼ぶ物語だ。演歌歌手・辰巳ゆうとが、ゲストとして初出演。“演歌界のホープ”が、一人二役に挑む。
 
 曽我廼家桃太郎とのコンビで、かごかき(人を乗せて運ぶかごの担ぎ手)を愉快に演じる藤山は、「ピチピチの辰巳さん演じるお殿さまと、むさ苦しい僕たちの“対比”を楽しんでもらいたい。台本があるようでないようなセリフも。ちょっと“遊び”のあるような珍しいお芝居です」と。
 
 辰巳は「関西人なので“歌がうまい”より“面白い”と言われる方がうれしくて(笑い)。歴史ある舞台、歴史ある演目に出演できることに誇りを感じています」。今回は、その歌声も楽しめるとか。
 
 もう一つの演目は現代劇の「愚兄愚弟」。仲の悪いきょうだいが妹の縁談を巡り、周囲を巻き込んだ大げんかを繰り広げる。
 
 兄の惣太郎を演じる曽我廼家一蝶は、「(若手の頃から)舞台袖で、先輩方の演技を何度も見てきた大好きな作品。その兄役を頂く日が来るとは。思いを込めて、一生懸命に務めさせていただきたい」と神妙な面持ちでコメントを。
 
 弟の惣二郎役を担う渋谷天笑は「家族愛にあふれた名作です。大阪松竹座の“最後”に、この大役を演じさせていただくことに本当に喜びを感じています」と語った。
 
 二つの物語とも、いずれも劣らぬ大騒動、その結末やいかに――。笑いあり、涙ありの人情喜劇を堪能したい。

◆公演情報

【日時・会場】9月20日(土)~28日(日)11:00/15:30開演 大阪松竹座 ※24日(水)は休演、26日(金)は11:00の回のみ
【料金】一等席1万1000円、二等席5000円、三等席3000円(税込み)
【問い合わせ】チケットホン松竹 0570(000)489
 
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