エンターテインメント

〈舞台〉 市村正親主演 音楽劇「エノケン」 2025年8月14日

10月7日(火)から東京・シアタークリエ
11月に大阪、佐賀、愛知、埼玉で
◆昭和の喜劇王の人生を描く

 昭和の時代、“エノケン”の愛称で親しまれ、日本の喜劇王とも呼ばれた俳優の榎本健一。そんな彼の人生を追う音楽劇「エノケン」が、10月7日(火)から東京・シアタークリエで開幕する。過日、本作の記者会見が行われ、主演の市村正親、共演の松雪泰子、脚本を担当したお笑いコンビ・ピースの又吉直樹らが登壇し、意気込みなどを語った。

 新作戯曲として書き下ろした又吉は、エノケンについて「伝説として知っているくらいだった」と述べつつも、「この戯曲の執筆に当たって資料や映像を見るうちに、年表だけでは見えない彼の生きざまというか、“歴史上の偉人”としてだけではなく、“芸人”としての姿も含めて、どんどん魅了されていきました」と、胸が高鳴る様子を明かした。
 
 そうして完成した脚本について、市村は「1カ月ほど前に台本を頂いたんですが、感動いたしました」と、しみじみ振り返り、「又吉さんは十分に責任を果たしてくださったので、この後は僕らが作品を素晴らしいものにできるよう頑張っていきたい」と抱負を述べた。
 
 エノケンの前妻・後妻の二役を担う松雪は、「こんなすてきな作品に出られると聞いた時は、飛び上がって喜びました。時間軸の展開がシームレス(途切れがない)で、どんどん物語が進んでいくところが本当に魅力的」と、見どころをアピールした。
 
 また、会見冒頭には、劇中歌「私の青空」を、市村が圧倒的な歌唱力で歌い上げる場面も。公演内では、エノケンが歌う楽曲をはじめ、劇中オリジナル曲などが、バンドによる生演奏で披露されるという。

 舞台人としての大先輩エノケンの魅力を語る、市村の言葉が印象に残った。
 
 「エノケンという人は、役者として魅力を感じるし、尊敬するところがあります。僕も舞台に立ち始めて今年で52年になりますが、お客さまの前で良い芝居を見せる、良い人生を見せるという点では、エノケンさんと同じ気持ちだと思います。笑わそうと思って笑わすのではなくて、真剣に生きていることが笑いにつながるという彼の信念は、芝居に通じます。エノケンさんの中に入り込み、良い人生を生きられたらいいなと思います」
 
 戦前・戦中・戦後と昭和の日本を、とびきりの笑いで照らし続けたエノケン。波乱の人生を鮮やかに描き出す新作舞台に、興味をかき立てられる。

◆公演情報

 【日程・会場】11月1日(土)~9日(日) 大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール ※4日(火)は休演
 
 【料金】全席指定1万2800円(税込み)
 
 【問い合わせ】キョードーインフォメーション 0570(200)888
※東京公演はほぼ完売。大阪公演後に佐賀、愛知、埼玉で上演予定(11月)
 
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