名字の言(紙面)

〈名字の言〉 2026年11月6日

 ボクシング漫画「あしたのジョー」で知られる漫画家・ちばてつや氏が先月、87年の生涯を閉じた。幼少期の旧満州での過酷な経験から、不戦の姿勢を貫いた氏。「生」への強い思いが込められた作品は、多くの読者の共感を呼んだ▼その創作について氏はつづっている。「毎回、毎回に自分の生を、紙の上に燃焼させる以外にないのだ。それで読者と勝負をしている」(『日本の名随筆別巻62』作品社)▼東京のある男子部員はプロボクサーとして20年間、リングに立ち続けた。日本ライト級王者となり、世界王座にも挑んだ。40歳となった昨年、目の大けがを負いながらも、本年5月には再び海外の舞台へ。“負けて腐れば、その後の人生もうまくいかない”との信念で戦い続け、9月に現役生活を終えた▼池田先生は「あしたのジョー」を通し、こう呼びかけたことがある。「青春時代に決めた自分の信念の道に、燃えつきてまっ白な灰になるまで戦いぬく――人生の本当の姿はここにある。いつの時代になっても、この精神を失ってはならない」▼多彩な生き方や価値観がある現代。その中で自らの人生を決めるのは自分自身しかない。平和建設の理想に燃え、一日一日、完全燃焼で最高の自分史を描こう。(多)