エンターテインメント

〈シネマ〉 ジャッキー・チェン出演「ベスト・キッド:レジェンズ」 2025年9月11日

全国公開中

 会場に駆け付けたファンと、肩を並べて笑う世界的アクションスター。その飾らぬ笑顔が、何よりの魅力となり、人々の心を引き寄せる――。日本でも親しまれるハリウッド俳優のジャッキー・チェンが、このほど自身が出演する最新映画「ベスト・キッド:レジェンズ」のPRのために来日し、舞台あいさつに登場。会場に集まった日本のファンに、映画の見どころなどを述べた。

 「ベスト・キッド」シリーズは、1984年の1作目を皮切りに、世界中に勇気と感動を届けてきた。武術の達人と出会った若者が、「努力」「友情」「逆境を乗り越える」というテーマのもと、成長していく姿が描かれる。
 
 95年公開の第4作以降、続編の製作はなかったが、2010年に通算5作目となるリメーク版「ベスト・キッド」が作られ、ジャッキーも出演。リメーク版誕生のきっかけについて、ジャッキーは「ある時、(ハリウッド俳優の)ウィル・スミスさんから“一緒にベスト・キッドのリメーク版の映画を作ろうよ”と、電話がかかってきました。『僕の子どもが若者役をやるから、君は師匠(武術の達人)役をやってほしい』と言われたんです」と振り返った。

 シリーズ6作目となる今作では、第1~3作まで若者役を演じてきたラルフ・マッチオが空手の達人ダニエル、ジャッキーはカンフーの達人ミスター・ハンとして出演する。二人は、家族の不幸により、母親と米ニューヨークに移住し、いじめや争いごとに巻き込まれる主人公の高校生・リー(ベン・ウォン)に、武術を教えるという役どころだ。
 
 会見中、今作のタイトルにちなみ、ジャッキー自身の“レジェンド的な存在”を問われる場面も。
 
 「チャールズ・チャップリン、黒澤明監督、シルベスター・スタローンやロバート・デ・ニーロなど、たくさんいらっしゃいます」「時に、自分のアクションが受け入れられず、毎日のカンフーの練習に意味はあるのかと、未来に希望が持てずにいました。そんな頃、映画『ロッキー』を見て、心から励まされたんです」

◆子どもたちが安心して楽しめる映画を

 自らの体験を交え、映像の持つ力について熱く語るジャッキー。チャーミングな笑顔の裏にある、過酷な鍛錬を積み重ねて築いた不屈の覚悟がうかがえた。
 
 また、これまで数多くの映画の製作も手がけてきた彼は「自分の子ども、世界中の子どもたちが安心して楽しめる作品になるよう心がけています。私が携わる作品には愛、平和、団結、環境保護の意識が常にあります」と、映画人としての信念を明かした。

 ファンへのメッセージを求められたジャッキーは、こう述べて会見を締めくくった。
 
 「私が長い間、映画製作への情熱を持てているのは、皆さんからエネルギーを頂いているからなんです。この場をお借りして世界中のファンに感謝を伝えたいです。映画産業の発展のためにも、ぜひ映画館でご覧になっていただきたい」
 
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