聖教ニュース(紙面)

ブラジル・ベレンで気候変動対策の会議「COP30」 SGIが諸団体と公式関連行事を開催 2025年11月13日

 気候変動対策の国連の会議「COP30(国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議)」が、ブラジルのベレンで行われている。11日(現地時間、以下同)には会議の公式関連行事として、SGI(創価学会インタナショナル)が諸団体と二つのイベントを開催した。
 午前11時半からは宗教系NGOと共催し、地域、国、世界の各レベルで気候変動対策を強化していく上で倫理や信仰が果たす役割を議論した。
 SGI国連事務所のフロール・ゲッティ氏が進行を担当し、国連の人権・気候変動特別報告者を務めるエリサ・モルジェラ氏のビデオメッセージを上映。さらに、生活様式の変革と価値観の連関や、誰も置き去りにしない公正な社会への移行と人権の理念などのテーマで、多様な知見が報告された。
 アマゾン創価研究所のジョアン・カルロス所長は、創立者の池田大作先生が示した共生の理念に基づく同研究所の取り組みを概説。「地球憲章」の活用のほか、研究所があるマナウス市の小・中学生を中心とした青少年への環境教育事業の模様などを紹介した。
 午後には慈済基金会などと共同で、伝統的な知識の活用と青年の貢献をテーマにしたイベントを開催した。 
 近年、COPの議論では、世界各地の先住民などが有する自然管理の方法に気候変動問題解決の大きなヒントがあると注目が集まっている。ここでは三つの事例が紹介された。
 アマゾン創価研究所のカルロス所長は、同研究所と近隣の先住民コミュニティーの交流を紹介。移住に伴い伝統的な植物栽培技術を失ってしまった先住民を対象に、同研究所が国立研究機関とも協力して栽培技術を先住民に伝えることで伝統が復活していることや、地域内外の若者が先住民の文化や自然に関する知識を学んでいる模様などを報告した。