聖教ニュース
〈全日本大学駅伝〉 創価大学が7位 4大会連続でシード権獲得 2025年11月3日
秩父宮賜杯第57回全日本大学駅伝対校選手権大会(全日本大学駅伝)が2日に開催され、名古屋市から三重県伊勢市までの8区間106・8キロのコースに27チームが参加した。4大会連続4度目の出場となった創価大学は、5時間11分56秒で7位に入賞。従来のチーム記録を塗り替える過去最高タイムをマークし、4大会連続となるシード権(8位以内に与えられる明年の出場権)を獲得した。
大会前日の記者会見で、榎木和貴監督は今回のチームのテーマを「新戦力のチャレンジ!!」と掲げた。
創価大学駅伝部は今シーズン、選手層の底上げに注力してきた。榎木監督は夏の3次合宿で、主力が集う北海道・深川合宿ではなく、準主力選手が集う御嶽合宿へ。今回、大学三大駅伝に初めて挑んだ衣川勇太選手(1年)と榎木凜太朗選手(2年)は、この“御嶽組”から選ばれた。
午前8時10分、各チームの応援団が沿道で見守る中、スタートの号砲が鳴った。
1区は、互いの様子を探り合う状況が続いたが、中盤から一転してハイペースの展開に。“最後の500メートルが勝負”と想定していた石丸惇那選手(4年)は、ライバルのスパートに腕を大きく振って食らい付く。榎木監督が「最高学年らしい仕事」とたたえた粘りの走りが光り、トップと5秒差で最初のタスキリレーを迎えた。
2区の小池莉希選手(3年)は、すぐに先頭集団に合流。昨年の吉田響選手(現・サンベルクス)の通過記録を意識しながらペースを上げ、トップと15秒差で3区につないだ。
タスキを受けたスティーブン・ムチーニ選手(3年)は、落ち着いた表情でスタート。気温も徐々に高くなる中で安定したペースを維持し、先頭の背中が見える位置で中継所に飛び込んだ。
榎木監督が今大会のキーマンの一人に挙げた4区・織橋巧選手(3年)は「攻めの走りを意識した」と振り返る。「もっと前との差を詰めたかった」と悔しさをにじませながらも、区間4位の好走で順位を一つ引き上げた。
5区・衣川選手はレース後、「初めての三大駅伝を楽しめました」と笑顔を見せた。夏まではけがに苦しんだが、短期間で調子を上げ、1年生でただ一人の出走。積極的な走りで前との差を縮めた。
衣川選手と同様に“三大駅伝デビュー”となった6区・榎木選手は大舞台に「平常心で臨めた」と語る。競り合いながら力走し、ラストで引き離されたものの、必死の表情で7区の野沢悠真選手(4年)につないだ。
実力者が集まる7区を任された野沢選手は、“チームのエースに”との覚悟をもってレースへ。長い単独走が続いたが意地を見せ、7位で中継所に入った。
最長区間の8区に登場したのは、榎木監督が“長距離の適性がある”と評価する山口翔輝選手(2年)。昨年、同区間で好走した野沢選手に近いタイムで走り抜き、4大会連続のシード権獲得となる7位でゴールした。
2大会ぶり17度目となる優勝を果たしたのは、駒澤大学だった。
創大は、全日本でのチーム最高記録を更新する5時間11分56秒をマーク。4大会連続のシード権は創大を含めて4校のみである。“三大駅伝デビュー”を果たした2人以外にも、最近の記録会などで多くの選手が自己ベストを出すなど、レギュラー争いが激しさを増している。
榎木監督は「前半はある程度、想定通りに進められましたが、離されてから流れを引き戻せませんでした。ラストの“絞り出し”など、課題がはっきり見えたレース。その中で、新戦力が伸びてきたことは収穫です」と語った。
出雲、全日本を経て、課題も成長も明確になった創大駅伝部。さらなる“負けじ魂”を燃やし、集大成の箱根駅伝へ挑む。