エンターテインメント

〈インタビュー〉 寺島進さん ドラマ「D&D ~医者と刑事の捜査線~」 2024年10月17日

テレ東系 金曜 午後9時

 以前は、こわもて役のイメージが強かったが、近年はホッコリする人情味のあるキャラクターとその演技が人気――。そんな寺島進さんは今回、テレ東系の連続ドラマ「D&D ~医者と刑事の捜査線~」(金曜、後9・0)で、昭和かたぎの刑事役に挑む。彼が作品を通して、伝えたいメッセージとは。

◆前向きに捉えろ! 悩みは与えられた“使命”

 今作で寺島さんが演じるのは、ベテラン刑事・弓削文平。主演の藤木直人さんが扮する、病院の再建を託された外科医・紙子良とバディを組み、社会のセーフティーネットからこぼれ落ちてしまった人々が起こす事件を解決に導いていく。

 「注目ポイントはたくさんあるなー。あんまり明かしても見た時に薄れちゃうから言わない(笑)。自信がないと口数多く説明しなきゃいけないけど、自信があるから。とにかく、画期的でありながら懐かしい感じが漂う刑事でいきたいね」

 テレ東では今クールから、“金曜8時”だった連ドラ枠を1時間遅くし、“目の肥えたドラマ好きの大人世代”に向けて届ける。本作がその1作目。“昭和イズム”を感じさせる、人間ドラマを描いたヒューマンミステリーになるとの期待も大きい。

 「日ごろ、新聞を読んでいると“世の中、こういう事件があるな”とか、“こんなことで女性は悩んでいるんだ”とか思うけど、(今作には)身近な出来事や話題とリンクする題材があるので、いろんな人たちが興味を持てるし、共感してくれるのでは。
 役作りについて? 寝る前に高倉健さんの自伝を読んでいますよ。“昭和スター”の生きざまを勉強しないとなーって」

 今作は完全オリジナル脚本だが、原作のあるドラマとの違いを聞くと――。
 
 「臨機応変に、柔軟にできるから、いろんな“色付け”ができるところ。アドリブはしたことないけど……」

 すると、すかさず周囲のスタッフから「いや、めちゃめちゃしています(笑)」とツッコミが。「無意識だからなー。監督がオッケーといったらオッケーだし(一同爆笑)」

 撮影現場の、にぎやかでアットホームな雰囲気がうかがえた。

 60歳を迎え、ますます活躍の場を広げる寺島さん。その胸中にはいつも、若かりし頃に出会った松田優作さんや北野武さんなど、先輩たちの珠玉の言葉や励ましがある。後輩の俳優たちから相談を受けることも多いそうだが、強い思いを持って、明るく活を入れているようだ。

 「体と心の汗をかくのが大事だって伝えていますよ。止まっているより『絶対に動け』ってね。そして、生きているから、悩みや葛藤はあるもんでしょ。それも自分に与えられた“使命”だから、前向きに捉えろと。行き詰まった時に“よっしゃ!”と、立ち向かえる自分でいないとね」

◆プロフィル

 てらじま・すすむ 1963年11月12日生まれ、東京の下町育ち。86年、映画「ア・ホーマンス」(松田優作監督)でデビュー。その後、北野武監督の映画作品に多数出演。2014年からドラマ「駐在刑事」シリーズで主演を務める。20年には『てっぺんとるまで! 役者・寺島進自伝』(ポプラ社)を発刊。

【記事】木村英治 【写真】外山慶介

 

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◆第1話(あす放送)あらすじ

 外科医・紙子(藤木)は、経営破綻の危機を回避すべく城斉市民病院に赴任する。病院再建の実績があり、経営のスペシャリストとして呼ばれたものの、思いがけず院長代理も務めることに。だが、医師らからの視線は冷ややかだ。

 そんな折、病院近くの商業施設で銃乱射事件が発生。偶然、居合わせた城斉署のベテラン刑事・弓削(寺島=写真)と交番勤務の警察官・牧野(前田拳太郎)は、自殺を図った犯人と被害者である瀕死の少年の救命措置を行う。

  
  
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