今回の「世界広布の大道　小説『新・人間革命』に学ぶ」は第17巻の「解説編」。池田博正主任副会長の紙上講座とともに、同巻につづられた珠玉の名言を紹介する。
　

　今回の「世界広布の大道　小説『新・人間革命』に学ぶ」は第17巻の「解説編」。池田博正主任副会長の紙上講座とともに、同巻につづられた珠（しゅ）玉（ぎょく）の名言を紹介する。
　

　東日本大震災から9年がたった今月11日、池田先生は随筆「冬は必ず春となる」を発表されました。

　その締めくくりで、今再び心肝に染めたい御金言として、「開目抄」の「我並びに我が弟子・諸難ありとも疑う心なくば自然に仏界にいたるべし、天の加護なき事を疑はざれ現世の安穏ならざる事をなげかざれ」（御書234ページ）を拝されています。

　「民衆城」の章にも、この一節が出てきます。1973年（昭和48年）4月に行われた本部幹部会の場面です。

　山本伸一は、前月の本部幹部会でも、この御文を拝読し、「ここには、信心の極意が示されております。この一節を、生涯にわたって、生命の奥底に刻み込んでください」（266ページ）と呼び掛けます。

　世界が大きな困難に直面している今、私たちは大聖人の御確信を生命に刻み、社会の安穏と人々の幸福を真剣に祈りつつ、「知恵と慈悲の自分発の挑戦」に取り組みたいと思います。

　◆◇◆　

　「広布第2章」の本格的な開幕を迎えた1973年は、「教学の年」であり、別名「青年の年」とされました。「新しき発展のためには、教学の研鑽に励み、仏法の理念を究めていくことが不可欠」（10ページ）であり、「青年が広布の前面に躍り出て」（26ページ）いくことが、広宣流布の方程式だからです。

　伸一は男子部に対して、「自発の決意と能動の実践なき人は、もはや第二章の戦いを担う勇士ではない」（101ページ）と訴えます。広布の活動は、“誰かに言われたから”という義務や受け身ではなく、自らが誓いを立てて挑むものです。「自発能動」だからこそ、成長があり、歓喜があるのです。

　73年、伸一はまず本陣・東京の激励に奔走します。その後、各方面・県の強化に全力を注いだことが、「緑野」の章につづられています。

　彼は以前から、「それぞれの方面、県で、地域に即した広宣流布の構想と運動を練り上げ、自主的に活動を推進していく必要がある」（342ページ）と考え、県長制の導入を提案。この年の9月に全国的に布陣が整い、「各県がそれぞれの特色を生かしながら、独自の広宣流布の歩みを開始」（382ページ）していきました。

　また、「『世界広布第二章』の暁鐘」（316ページ）となる「ヨーロッパ会議」が5月に設立され、「パン・アメリカン連盟」（8月）、「東南アジア仏教者文化会議」（12月）の結成へと続き、2年後の75年（同50年）1月26日、SGI（創価学会インタナショナル）が誕生しました。

　「広布第2章」に入り、「地域広布」「世界広布」の展開を見据え、伸一は次々と手を打ちました。彼が「『今年こそ』の一念」（9ページ）で蒔いた種子は、見事に花開いていったのです。
　

　東日本大（だい）震（しん）災（さい）から9年がたった今月11日、池田先生は随筆「冬は必ず春となる」を発表されました。

　その締（し）めくくりで、今再（ふたた）び心（しん）肝（かん）に染（そ）めたい御（ご）金（きん）言（げん）として、「開（かい）目（もく）抄（しょう）」の「我（われ）並（なら）びに我（わ）が弟子・諸（しょ）難（なん）ありとも疑（うたが）う心なくば自（じ）然（ねん）に仏（ぶっ）界（かい）にいたるべし、天の加（か）護（ご）なき事を疑はざれ現（げん）世（ぜ）の安（あん）穏（のん）ならざる事をなげかざれ」（御書234ページ）を拝（はい）されています。

　「民（みん）衆（しゅう）城（じょう）」の章にも、この一節が出てきます。1973年（昭和48年）4月に行われた本部幹部会の場面です。

　山本伸一は、前月の本部幹部会でも、この御（ご）文（もん）を拝読し、「ここには、信心の極（ごく）意（い）が示されております。この一節を、生（しょう）涯（がい）にわたって、生命の奥（おう）底（てい）に刻（きざ）み込（こ）んでください」（266ページ）と呼（よ）び掛（か）けます。

　世界が大きな困（こん）難（なん）に直面している今、私たちは大聖人の御確信を生命に刻み、社会の安穏と人々の幸福を真（しん）剣（けん）に祈りつつ、「知（ち）恵（え）と慈（じ）悲（ひ）の自分発の挑戦」に取り組みたいと思います。

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　「広布第2章」の本格的な開（かい）幕（まく）を迎（むか）えた1973年は、「教学の年」であり、別名「青年の年」とされました。「新しき発展のためには、教学の研（けん）鑽（さん）に励（はげ）み、仏法の理念を究（きわ）めていくことが不可欠」（10ページ）であり、「青年が広布の前面に躍（おど）り出（で）て」（26ページ）いくことが、広宣流布の方程式だからです。

　伸一は男子部に対して、「自発の決意と能（のう）動（どう）の実（じっ）践（せん）なき人は、もはや第二章の戦いを担（にな）う勇士ではない」（101ページ）と訴（うった）えます。広布の活動は、“誰かに言われたから”という義務や受け身ではなく、自（みずか）らが誓（ちか）いを立てて挑（いど）むものです。「自発能動」だからこそ、成長があり、歓（かん）喜（き）があるのです。

　73年、伸一はまず本（ほん）陣（じん）・東京の激励に奔（ほん）走（そう）します。その後、各方面・県の強化に全力を注（そそ）いだことが、「緑（りょく）野（や）」の章につづられています。

　彼は以前から、「それぞれの方面、県で、地域に即（そく）した広宣流布の構想と運動を練（ね）り上げ、自主的に活動を推（すい）進（しん）していく必要がある」（342ページ）と考え、県長制の導（どう）入（にゅう）を提（てい）案（あん）。この年の9月に全国的に布（ふ）陣（じん）が整（ととの）い、「各県がそれぞれの特色を生かしながら、独自の広宣流布の歩みを開始」（382ページ）していきました。

　また、「『世界広布第二章』の暁（ぎょう）鐘（しょう）」（316ページ）となる「ヨーロッパ会議」が5月に設立され、「パン・アメリカン連（れん）盟（めい）」（8月）、「東南アジア仏教者文化会議」（12月）の結成へと続き、2年後の75年（同50年）1月26日、SGI（創価学会インタナショナル）が誕（たん）生（じょう）しました。

　「広布第2章」に入り、「地域広布」「世界広布」の展（てん）開（かい）を見（み）据（す）え、伸一は次々と手を打ちました。彼が「『今年こそ』の一念」（9ページ）で蒔（ま）いた種子は、見事に花開いていったのです。
　

　「広布第2章」を迎え、青年部は核兵器廃絶のための署名運動などに取り組みます。社会に開かれた運動を展開するにあたって、「心すべきことはなんでしょうか」（15ページ）との青年部のリーダーの問いに、伸一は「師弟の道を歩め」（16ページ）と答えます。

　彼は、「仏法を社会に開いた運動」を円運動の遠心力に、「師弟不二の精神」を求心力に例え、「遠心力が強くなればなるほど、仏法への強い求心力が必要になる」（同ページ）と強調します。

　そして、初代会長・牧口常三郎先生と第2代会長・戸田城聖先生の師弟の関係を通して、「私も、徹底して戸田先生に仕え、守り、弟子の道を全うしてきた」（25ページ）と語ります。

　小説『人間革命』第10巻にも、「師弟不二の道を貫くこと」（73ページ）の大切さが書きとどめられています。その道を歩むとは、「師の意図が、脈動となって弟子の五体をめぐり、それが自発能動の実践の姿をとる」（130ページ）ことであり、「困難にして強盛な信仰の深化を必要とする」（同ページ）と結論しています。

　学会は今、青年部の「SOKAグローバルアクション2030」をはじめ、数多くの平和・文化・教育の運動を展開しています。多角的な取り組みを推進するからこそ、私たちは「師弟」という根本軌道を、決して忘れてはなりません。

　『新・人間革命』第17巻「本陣」の章に、「『師弟の道』は峻厳である」（24ページ）と記されています。「峻厳」であるがゆえに、どこまでも「自行化他の実践」に徹し抜くことが肝要です。

　伸一は、戸田先生と心で対話してきました。「先生ならば、どうされるか。今の自分をご覧になったら、なんと言われるか――常に自身にそう問い続けています」（25ページ）。日々、師匠と胸中で対話しながら前進していく中に、自身の人間革命があるのです。
　

　「広布第2章」を迎え、青年部は核（かく）兵（へい）器（き）廃（はい）絶（ぜつ）のための署（しょ）名（めい）運動などに取り組みます。社会に開かれた運動を展開するにあたって、「心すべきことはなんでしょうか」（15ページ）との青年部のリーダーの問いに、伸一は「師弟の道を歩め」（16ページ）と答えます。

　彼は、「仏法を社会に開いた運動」を円（えん）運動の遠（えん）心（しん）力（りょく）に、「師弟不（ふ）二（に）の精神」を求（きゅう）心（しん）力（りょく）に例（たと）え、「遠心力が強くなればなるほど、仏法への強い求心力が必要になる」（同ページ）と強調します。

　そして、初代会長・牧口常三郎先生と第2代会長・戸田城聖先生の師弟の関係を通して、「私も、徹（てっ）底（てい）して戸田先生に仕（つか）え、守り、弟子の道を全（まっと）うしてきた」（25ページ）と語ります。

　小説『人間革命』第10巻にも、「師弟不二の道を貫（つらぬ）くこと」（73ページ）の大切さが書きとどめられています。その道を歩むとは、「師の意（い）図（と）が、脈（みゃく）動（どう）となって弟子の五体をめぐり、それが自発能動の実践の姿をとる」（130ページ）ことであり、「困（こん）難（なん）にして強（ごう）盛（じょう）な信（しん）仰（こう）の深（しん）化（か）を必要とする」（同ページ）と結（けつ）論（ろん）しています。

　学会は今、青年部の「SOKAグローバルアクション2030」をはじめ、数多くの平和・文化・教育の運動を展開しています。多角的な取り組みを推進するからこそ、私たちは「師弟」という根本軌（き）道（どう）を、決して忘れてはなりません。

　『新・人間革命』第17巻「本（ほん）陣（じん）」の章に、「『師弟の道』は峻（しゅん）厳（げん）である」（24ページ）と記されています。「峻厳」であるがゆえに、どこまでも「自行化他の実践」に徹（てっ）し抜（ぬ）くことが肝（かん）要（よう）です。

　伸一は、戸田先生と心で対話してきました。「先生ならば、どうされるか。今の自分をご覧（らん）になったら、なんと言われるか――常（つね）に自身にそう問い続けています」（25ページ）。日々、師匠と胸（きょう）中（ちゅう）で対話しながら前進していく中に、自身の人間革命があるのです。
　

　73年元日に行われた各部部長会で、伸一は女子部のリーダーに、「二十一世紀は『女性の世紀』」（27ページ）と万感の思いを語ります。

　彼は、これからの目指すべき女性像について、「豊かな個性をもち、文化や政治などの社会的な問題に対しても積極的に関わり、創造的な才能を発揮」（113ページ）していくことのできる“全体人間”であると考えます。

　そして、「女性が平和主義という本然の特質を発揮し、社会、国家、さらには世界を舞台に活躍していくための教育を行う学園」（111ページ）が、関西の地に開校したのです。

　「希望」の章には、創価女子学園（現・関西創価学園）の歩みが記されています。

　高校1期生は、伸一が事実無根の選挙違反の容疑で不当逮捕された「大阪事件」の年に生まれた世代であり、中学1期生は、第3代会長に就任した年に生まれた世代です。そこに、彼は深い宿縁を感じます。

　創立者の伸一は入学式で、「理想を秘めた“日常の行動”のうえに、見事な伝統が生まれ、それが花咲き、次の世代へと伝えられていく」（131ページ）と語ります。この言葉を胸に、彼女たちは努力を重ね、学園の美しい伝統を築きます。それは、後輩にも受け継がれていきました。

　21世紀の開幕を目前にした2000年（平成12年）12月、関西女性総会の意義を込めた本部幹部会が開催されました。席上、伸一はこう語ります。

　「今、時代は、音をたてて変わっている。社会でも、団体でも、これからは女性を尊重し、女性を大切にしたところが栄えていく」（第30巻＜下＞「誓願」の章、431ページ）

　平和を愛し、命を慈しむ「女性の力」こそ、21世紀を「生命の世紀」へと導く源泉です。
　

　73年元（がん）日（じつ）に行われた各部部長会で、伸一は女子部のリーダーに、「二十一世紀は『女性の世紀』」（27ページ）と万（ばん）感（かん）の思いを語ります。

　彼は、これからの目指すべき女性像について、「豊かな個性をもち、文化や政治などの社会的な問題に対しても積極的に関（かか）わり、創（そう）造（ぞう）的な才能を発（はっ）揮（き）」（113ページ）していくことのできる“全体人間”であると考えます。

　そして、「女性が平和主義という本（ほん）然（ねん）の特質を発揮し、社会、国家、さらには世界を舞（ぶ）台（たい）に活（かつ）躍（やく）していくための教育を行う学園」（111ページ）が、関西の地に開校したのです。

　「希望」の章には、創価女子学園（現・関西創価学園）の歩みが記されています。

　高校1期生は、伸一が事実無（む）根（こん）の選挙違（い）反（はん）の容（よう）疑（ぎ）で不当逮（たい）捕（ほ）された「大阪事件」の年に生まれた世代であり、中学1期生は、第3代会長に就（しゅう）任（にん）した年に生まれた世代です。そこに、彼は深い宿（しゅく）縁（えん）を感じます。

　創立者の伸一は入学式で、「理想を秘（ひ）めた“日常の行動”のうえに、見事な伝統が生まれ、それが花咲（さ）き、次の世代へと伝えられていく」（131ページ）と語ります。この言葉を胸に、彼女たちは努力を重（かさ）ね、学園の美しい伝統を築きます。それは、後輩にも受（う）け継（つ）がれていきました。

　21世紀の開幕を目前にした2000年（平成12年）12月、関西女性総会の意義を込めた本部幹部会が開催されました。席上、伸一はこう語ります。

　「今、時代は、音をたてて変わっている。社会でも、団体でも、これからは女性を尊（そん）重（ちょう）し、女性を大切にしたところが栄（さか）えていく」（第30巻＜下＞「誓願」の章、431ページ）

　平和を愛し、命を慈（いつく）しむ「女性の力（ちから）」こそ、21世紀を「生命の世紀」へと導（みちび）く源（げん）泉（せん）です。
　

　どんなに深い闇でも、太陽が昇れば、すべては光に包まれる。太陽は常に燃えているからです。状況がどうあれ、君が太陽であればいいんだ。（「本陣」の章、69ページ）

　どんなに深い闇（やみ）でも、太陽が昇（のぼ）れば、すべては光に包（つつ）まれる。太陽は常（つね）に燃えているからです。状（じょう）況（きょう）がどうあれ、君が太陽であればいいんだ。（「本（ほん）陣（じん）」の章、69ページ）

　苦闘するということは、自身の人間革命の大舞台に立ったということなんです。それを乗り越え、勝利した時の喜び、爽快感は、何よりも、誰よりも大きい。（「本陣」の章、95ページ）

　苦（く）闘（とう）するということは、自身の人間革命の大（おお）舞（ぶ）台（たい）に立ったということなんです。それを乗り越え、勝利した時の喜び、爽（そう）快（かい）感（かん）は、何よりも、誰（だれ）よりも大きい。（「本陣」の章、95ページ）

　人間の偉大さは、自分のためだけに生きるのか、自他共の幸福のために生きようとするのかによって決まるといえる。（「希望」の章、170ページ）

　人間の偉（い）大（だい）さは、自分のためだけに生きるのか、自他共の幸福のために生きようとするのかによって決まるといえる。（「希望」の章、170ページ）

　広布の使命を自覚し、戦いを起こしていく時、地涌の菩薩の大生命が、わが胸中に脈動します。それが何ものにも負けない強靱な生命力をもたらし、自らの境涯を高め、広げていくんです。（「民衆城」の章、323ページ）

　広布の使命を自（じ）覚（かく）し、戦いを起こしていく時、地（じ）涌（ゆ）の菩（ぼ）薩（さつ）の大生命が、わが胸（きょう）中（ちゅう）に脈（みゃく）動（どう）します。それが何ものにも負けない強（きょう）靱（じん）な生命力をもたらし、自（みずか）らの境（きょう）涯（がい）を高め、広げていくんです。（「民（みん）衆（しゅう）城（じょう）」の章、323ページ）

　不信というのは、生命の根本的な迷いであり、元品の無明です。それは不安を呼び、絶望へと自身を追い込んでいきます。その自分の心との戦いが信心です。その迷いの心に打ち勝つ力が題目なんです。ゆえに、題目第一の人こそが、真の勇者なんです。（「緑野」の章、328ページ）

　不信というのは、生命の根本的な迷（まよ）いであり、元（がん）品（ぽん）の無（む）明（みょう）です。それは不安を呼（よ）び、絶望へと自身を追い込んでいきます。その自分の心との戦いが信心です。その迷いの心に打ち勝つ力（ちから）が題目なんです。ゆえに、題目第一の人こそが、真の勇者なんです。（「緑（りょく）野（や）」の章、328ページ）