月の明るさに最も影響するのは、空気の混濁度だという。島嶼地域の沖縄では、絶えず吹く海風と時折のスコールが、ちりやほこりを洗い流し、空気が澄んで月光が鮮やかに見えるといわれる▼きょうは「中秋の名月」。琉球王国時代、この日に盛大な催しで中国の使節団を歓待した記録がある。うたげの後も数千人がたいまつを手に列をなし、一行を宿まで見送ったという。琉球人の高い文化と礼節は、月とともに輝いて見えたことだろう▼池田先生の創作童話『お月さまと王女』は、ある少女が“月の国”へ行き、自分にも優しく強い心があると気付いて成長していく物語。挿絵は世界的な絵本画家ワイルドスミス氏が手がけた▼氏に作画を依頼したのは、英国の大学出版局の関係者だった。最初、氏は断ったが、受け取った童話の英文原稿を読み、考えを一変させた。“愛、ユーモア、正義といった、子どもの成長に不可欠な感情や信念が、美しい言葉で語られていた”と。心を動かすのは、心である。心こそ大切である▼御書に「法華経を深く信じる人は満月が闇夜を照らすようなもの」（新527・全1501、趣意）とある。我らは周囲の幸福を願う清らかな祈りと心を込めた行動で、地域を照らしていこう。（壹）

　月の明るさに最も影（えい）響（きょう）するのは、空気の混（こん）濁（だく）度（ど）だという。島（とう）嶼（しょ）地域の沖縄では、絶（た）えず吹（ふ）く海風と時（とき）折（おり）のスコールが、ちりやほこりを洗（あら）い流（なが）し、空気が澄（す）んで月光が鮮（あざ）やかに見えるといわれる▼きょうは「中（ちゅう）秋（しゅう）の名月」。琉（りゅう）球（きゅう）王国時代、この日に盛（せい）大（だい）な催（もよお）しで中国の使節団を歓（かん）待（たい）した記録がある。うたげの後も数千人がたいまつを手に列をなし、一（いっ）行（こう）を宿（やど）まで見送ったという。琉球人の高い文化と礼（れい）節（せつ）は、月とともに輝（かがや）いて見えたことだろう▼池田先生の創（そう）作（さく）童話『お月さまと王女』は、ある少女が“月の国”へ行き、自分にも優（やさ）しく強い心があると気付いて成長していく物語。挿（さし）絵（え）は世界的な絵本画家ワイルドスミス氏が手がけた▼氏に作画を依（い）頼（らい）したのは、英国の大学出版局の関係者だった。最初、氏は断（ことわ）ったが、受け取った童話の英文原（げん）稿（こう）を読み、考えを一変させた。“愛、ユーモア、正義といった、子どもの成長に不可欠な感情や信念が、美しい言葉で語られていた”と。心を動かすのは、心である。心こそ大切である▼御書に「法（ほ）華（け）経（きょう）を深く信じる人は満月が闇（やみ）夜（よ）を照（て）らすようなもの」（新527・全1501、趣（しゅ）意（い））とある。我（われ）らは周囲の幸福を願う清（きよ）らかな祈（いの）りと心を込（こ）めた行動で、地域を照らしていこう。（壹）