サーカスの「象」は、曲芸の出番以外は杭に鎖でつながれていた。象の巨体からすれば、小さな杭なのに引き抜こうとしない。それは子象の頃に抜こうとしたが、できなかった記憶が今もあるから。そんな内容の寓話がある▼象をつないでいたのは杭そのものではなく、“自分には無理”という「諦めの心」だった。人間の可能性を狭めてしまうのは悪条件という“杭”ではなく、過去の経験などからくる“諦め”ではないか、という問いかけだろう▼ある女性が学会員の友人に誘われ、座談会に出席した。終了後の懇談で、彼女は不幸続きの半生を語り、「これが私の宿命だから仕方ない」と目を伏せた▼すると参加者が、次々と自身の宿命転換の体験を話してくれた。彼女が「私でも宿命を変えられますか?」と問うと、友人は「答えは言いません。ぜひ、自分でつかみましょう」と。後に入会した彼女は今、晴れ晴れと毎日を送る▼先の象を縛っていた杭の大きさ自体は変わらない。だが成長して力が付けば、杭は引き抜けるほどの小さな存在に変わる。私たちの人生にも前進を阻む、さまざまな悩みの“杭”があろう。しかし、境涯を開けば、大きかった悩みも小さく感じられ、悠々と勝ち越えていける。(城)
サーカスの「象」は、曲芸の出番以外は杭に鎖でつながれていた。象の巨体からすれば、小さな杭なのに引き抜こうとしない。それは子象の頃に抜こうとしたが、できなかった記憶が今もあるから。そんな内容の寓話がある▼象をつないでいたのは杭そのものではなく、“自分には無理”という「諦めの心」だった。人間の可能性を狭めてしまうのは悪条件という“杭”ではなく、過去の経験などからくる“諦め”ではないか、という問いかけだろう▼ある女性が学会員の友人に誘われ、座談会に出席した。終了後の懇談で、彼女は不幸続きの半生を語り、「これが私の宿命だから仕方ない」と目を伏せた▼すると参加者が、次々と自身の宿命転換の体験を話してくれた。彼女が「私でも宿命を変えられますか?」と問うと、友人は「答えは言いません。ぜひ、自分でつかみましょう」と。後に入会した彼女は今、晴れ晴れと毎日を送る▼先の象を縛っていた杭の大きさ自体は変わらない。だが成長して力が付けば、杭は引き抜けるほどの小さな存在に変わる。私たちの人生にも前進を阻む、さまざまな悩みの“杭”があろう。しかし、境涯を開けば、大きかった悩みも小さく感じられ、悠々と勝ち越えていける。(城)