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2017年のノーベル平和賞 ICANの事務局長が総本部を訪問

原田会長、池田主任副会長らが歓迎 (2018年1月18日付1面より)

 2017年のノーベル平和賞を受賞した国際NGO「ICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)」のベアトリス・フィン事務局長、川崎哲国際運営委員が17日午後、東京・信濃町の総本部を訪問。原田会長、池田主任副会長、笠貫SGI(創価学会インタナショナル)女性部長、寺崎同平和運動総局長らが歓迎し、「核兵器のない世界」の実現に向けて、一段と協力を深めていくことを約し合った。

 12日に来日し、長崎、広島、東京と精力的に諸行事に参加してきたフィン事務局長。実質的な滞在最終日の総本部訪問となった。

 冒頭、池田主任副会長から、総本部訪問への感謝とノーベル平和賞受賞を祝福する池田大作先生の伝言が紹介された。

 語らいでは、原田会長が、昨年7月に国連で採択された「核兵器禁止条約」の実現におけるICANの貢献を称賛。また2007年以来の国際パートナーであるSGIにとっても、ICANのノーベル平和賞受賞は大きな喜びであると語った。

 フィン事務局長は、「祝意の言葉をいただき、ありがとうございます。ですが、皆さんもICANですから、私からも〝おめでとうございます〟と申し上げたいと思います」と笑顔で応じつつ、核兵器の非人道性に対する認識の国際的な普及や宗教コミュニティーとしての取り組みの中で、SGIが大きな力になってきたと言及。「友情に根差したICANとSGIの緊密な連携が、禁止条約の実現、またノーベル平和賞の受賞につながったと思います」と述べた。

 また、核兵器禁止条約の採択を経て核兵器を取り巻く状況は新しい段階に入ったとし、条約を早期に発効させること、条約に入らない国に対する働きかけが課題であると指摘。

 禁止条約の発効には世界各地の市民の声が重要であり、〝核兵器に対する価値観〟に大きな影響を与える宗教組織は、特に条約に参加しようとしない国に対しては大きな役割を担っている。ゆえに、世界にネットワークを持つFBO(信仰を基盤とした団体)であるSGIには一段と大きな役割が期待されている――と述べ、「皆さんとの友情と協力を一段と深めていきたい」と力を込めた。

 会見後の懇談では、フィン事務局長が二人の子どもを持つ母親であることも話題に。笠貫SGI女性部長が労をねぎらうと、フィン事務局長は「被爆者の方々の幼い頃の悲惨な体験を聞くにつけ、自分の子どもたちを、そのような状況下に絶対に置いてはならないとの思いを強くしてきました」と語った。