色法(物質・肉体面の働き)と心法(心の働き)が、一見、二つの別のものであるようで、実は分かちがたく関連しているという法理。色法とは、物質や肉体といった、目や耳などの感覚器官でとらえられる物質的・顕在的なもの、またそこに現れる種々の変化。心法とは、精神・心といった、感覚器官で直接とらえられない法則的・内在的なもの。「心」にそなわっているものが因となり、それが縁にふれることで、「心」に果が生じ、やがて報いとして「色」の上にも顕在化する。「色」である肉体で体験した種々の行為の影響は「心」に刻まれ、生死を超えて連続し、因となって縁に応じて新たな果報を生み出していく。このように心と色は、一つの生命・存在そのものにおいて、三世にわたる生命の因果の法則によって一貫して分かちがたく結び付き、種々の働きを示す。「御義口伝」には「色心不二なるを一極と云うなり」(708㌻)とある。自身の心に本性としてそなわっている無限の可能性を、色である現実の自身と世界とに自在に開き現し、外なる色法と内なる心法が一致して色心不二を実現したのが、最高の境涯である仏界(一極)である。